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着物と女性の身体

2014.8.21 ブログ

着付け教室をしていると、

昔の女性の暮らしを深く考えることがあります。

昭和ひとケタ生まれの私の母世代は、

自分たちの着るものは、

自分たちで縫ったり、編んだりしていたそうです。

小学生の頃は、着物でわらじを履いて学校に通っていたそうです。

そんな中にも、お金持ちのお嬢様は、

洋服で靴を履いていたのがうらやましかったと話していました。

太平洋戦争がはじまって、

もんぺを履くようになったそうです。

私のところにはあちこちから、

昔の着物が集まってきます。

戦争前の着物は、

普段着の銘仙も配色がカラフルで、柄も斬新です。

ただ、炊事洗濯など家事をするために、

袖が短く、節約なのか簡素なのか、着丈なども必要最小限です。

戦争後に作られた着物は、

色柄もシックで単調です。

でも、晴れ着といわれるよそ行きの染めの着物は、

オレンジや緑や金糸や銀糸を使って華やかです。

昭和30年代の着物、40年代の着物、50年代の着物・・・現在まで流行があります。

いろいろな年代の着物に触れるのは楽しいです。

昭和30年代ぐらいまでの着物の下に着る長じゅばんは、

赤色・朱色の長じゅばんもあります。

40年代ぐらいからは、薄い色の長じゅばんしか私は見たことがありません。

日本も高度成長期、女性の社会進出が広がってくるころです。

私は女性の生理用品が進化してきたからだと考えます。

女性が男性と肩を並べて働けるようになった大きなきっかけは、

この生理用品の発達だと思います。

でも、本当は女性は生理の時、

身体を労わらないといけないのに、

労われないのは深刻な問題だとも思っています。

私の母世代は5人兄弟6人兄弟など多かったですが、

身体のしくみと着物生活が適切だったのではと思います。

着物は夏でも帯を巻くのでお腹周りの冷えはなく、

生理中は動きに制限があるので、身体を休めることができます。

現代の女性は、

洋服や生理用品が充実しているので、

楽といえば楽なのですが、

辛さを誰にも言えず休めず無理している人が多いようです。

私は女性なので、女性の辛さしかわかりません。

男性には男性の辛さがあると思いますが、

お互いに身体の仕組みの違いを理解し合うことも

仕事や夫婦生活を円満にできる大切なことのように思います。

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